等々力の家
用途:共同住宅(二世帯住宅)
構造/規模:鉄筋コンクリート造2階建て
延床面積:300㎡(90坪)
Photo_Koichi Torimura
等々力の緑豊かな住宅地に建つ、鉄筋コンクリート造2階建ての二世帯住宅です。
親世帯を1階、子世帯を2階に配し、それぞれの住まいは独立させながら、共用のエントランスや階段、レクリエーションルームを介して、家族がゆるやかにつながる構成としました。
敷地は南側道路に面し、北側と西側には豊かな緑が広がります。一方で東側の隣家が近いため、そちらには大きく開かず、建物をL型に配置して庭を囲う計画としました。外に対しては静かに構えながら、内側には光と緑を抱き込む。庭から建物を望むと、住まい全体がひとつの風景として立ち上がります。
親世帯の住まいは、玄関からギャラリーのような長い廊下を通り、来客を迎えるサロンへと至ります。サロンに入ると、南北に視線が抜け、庭と周囲の緑を同時に感じることができます。そこからさらに奥へ進むと、日常の中心となるダイニングキッチンがあり、その先に寝室や水回りをまとめました。来客を迎える場から、日々を過ごす場、そして静かな私的領域へ。空間の奥行きに沿って、暮らしの濃度が少しずつ変わっていく住まいです。
また、親世帯にはご夫婦それぞれの趣味の部屋を設け、日常の生活と個人の時間が無理なく共存する構成としました。庭に面したリビングとダイニングキッチンは、草木を身近に感じながら、来客を迎える時間と日常の時間をそれぞれ豊かに受け止める居場所となっています。
子世帯は2階に配置し、庭に面したLDKを中心に、いくつかのルーフバルコニーを設けました。外部からの視線に配慮しながら、室内と屋外がつながる余白をつくり、2階の住まいとしての開放感と独立性を高めています。そのうちのひとつはレクリエーションルームと連続させ、親世帯と子世帯が共有できる外部空間として計画しました。南側の小規模なレクリエーションルームは、日常の中に自由に使えるもうひとつの場所として、二つの住まいをゆるやかにつなぐ役割も持たせています。
外壁は外断熱の左官仕上げを基本とし、塀や庇、壁の一部に打放しコンクリートを用いています。左官の柔らかな表情に、コンクリートの硬質な質感を重ねることで、住宅地の中に落ち着いた邸宅としての構えをつくりました。
二つの住まいが独立しながらも、ひとつの庭を介して穏やかにつながること。外部から内部へ、共用から専用へ、パブリックからプライベートへ。いくつもの緩やかな境界を重ねることで、家族それぞれの暮らしを大切にしながら、同じ場所に住まう豊かさをかたちにしています。
























