都市の中で住まいを考える
住宅のかたちは、敷地の条件だけで決まるものではありません。住む人の考え方や暮らし方、その場所が持つ特性を重ね合わせながら、一つの住まいを組み立てていきます。
U建築設計室は東京都大田区にある建築設計事務所です。都内各地で住宅を手がけ、計画の初期段階から建物の完成まで、一つの考えを通して住まいづくりに関わっています。






さまざまな条件に向き合う住宅設計
都内で住宅を計画する際は、隣家との距離や道路条件、敷地の形状、求められる床面積など、複数の要素を同時に整理する必要があります。それぞれを切り離して考えるのではなく、相互の関係を読みながら全体を組み立てることが重要です。
私たちは、建て込んだ住宅地の敷地から、ゆとりある敷地、二世帯住宅、RC造、地下を伴う住宅まで、幅広い計画に取り組んできました。
ここからは、それぞれの敷地や暮らしをどのように読み取り、住宅のかたちへつなげてきたかを、実例とともにご紹介します。
都市の制約を空間の豊かさに変える
建物が近接し、敷地や間口に余裕のない都市部では、採光や通風、プライバシー、床面積の確保を一体で整理することが求められます。平面だけで解決するのではなく、断面構成や開口の位置、上下階の関係まで含めて検討し、制約そのものを設計の手がかりにします。
東中野の家|中野区

16.5坪の敷地に建つRC造3階建てです。上下階の関係を整理し、視線が奥へ抜ける構成とすることで、各階に連続性をもたせました。
滝野川の家|北区

間口約3.9m、奥行約14mの細長い敷地に計画した3階建ての住宅です。長手方向に抜けをつくり、建物の奥まで自然光が届くようにしています。
上野毛の家|世田谷区

15坪のほぼ正方形の敷地では、スキップフロアによって床の高さをずらしました。上下階の視線や動きが連続し、異なる高さの居場所が緩やかにつながります。
松原の家|世田谷区


成熟した住宅地の細長い敷地に計画したRC造の住宅です。建物を二つのボリュームに分け、その間に中庭を設けました。周囲からの視線を抑えながら、中庭から室内の奥まで光と外部の気配が届く構成です。
視線を抑え、光と外部を取り込む
周囲に建物が近接する敷地では、どこを開き、どこを閉じるかが重要です。開口部や中庭、テラスの位置を調整し、プライバシーと採光・通風の両立を図ります。
明大前の家|世田谷区



周囲からの視線を抑えながら、各階に設けた外部空間から光と風を取り込みました。室内とテラスを連続させ、内外が一続きに感じられる構成です。
桜坂の家|大田区


道路側の開口を抑え、吹抜けと高窓から光を導く住宅です。閉じた外観とは対照的に、内部では階段と吹抜けを中心に上下階が連続します。
九品仏の家|大田区



木造2階建てとし、周囲の建物との距離に応じて開口部の位置と大きさを調整しています。外への開き方に変化をつけることで、プライバシーを保ちながら必要な明るさを確保しました。
祖師谷の家|世田谷区



道路側の開口を抑えつつ、室内では窓の位置や大きさに変化をつけました。外からの視線を避けながら、必要な場所に採光と眺望を確保する計画です。
敷地・家族・構造から、住宅のかたちを考える
敷地の大きさだけでなく、家族構成や構造、必要な床面積も、計画の方向を大きく左右します。ここでは、二世帯住宅やRC造、地下を伴う計画など、異なる前提から生まれた事例をご紹介します。
等々力の家|世田谷区

ゆとりある敷地に計画した、RC造の完全分離型二世帯住宅です。二つの世帯の独立性を保ちながら、それぞれの生活空間を庭に向けて開いています。
桜の家|世田谷区


木造3階建てとし、二つの世帯の居場所を上下に重ねています。螺旋階段や吹抜け、テラスを組み合わせ、それぞれの暮らしに必要な距離感と開放性を確保しました。
府中の家|府中市

二世帯の住まいに必要な面積を確保するため、地下を取り入れた計画です。地上階と地下に機能を振り分け、階段まわりや開口部を調整しながら、地下を含む各階に自然光を導いています。
三鷹の家|三鷹市



庭や周囲の緑との関係を軸にした、木造2階建ての住宅です。家族が集まる場所を庭に向けて開き、それぞれの居場所から外の気配を感じられる住まいとしました。
設計から建物の完成まで
敷地調査、基本計画、実施設計、確認申請、施工者との調整など、住宅が完成するまでの各段階に関わります。構造や設備、素材、家具も含め、設計の意図が建物全体に通るよう調整を重ねます。